| 接岸流路がしばらく続きそうです。 |
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
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- JCOPE3Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここで来年1月31日までのJCOPE3Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮の蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2025年12月7日の状態の推測値、図2・3は来年1月7日、2月7日の予測です。
黒潮は八丈島の北を流れています(A 図1, 図6も参照)。蛇行が大きくなく、黒潮が八丈島の北を流れていることから、現在の黒潮は非大蛇行接岸流路(直進流路)と判定されます。
黒潮は八丈島(●)に近づくことはあっても、北にとどまり、接岸流路が続くと予測しています。
今後の予測の注目点は、暖水渦Hと冷水渦Lです。この渦ペアは西に移動すると予測しています(図1~3)。暖水渦Hと冷水渦Lがこのまま西に進んで九州南東の黒潮に近づくと、小蛇行を引き出し(図3 C)、黒潮の流れが変化するきっかけになる可能性があります。
図4は、2025年12月7日から2026年2月7日までの予測をアニメーションにしたものです。



図4: 2025年12月7日から2026年2月7日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
観測で見る黒潮流路
黒潮大蛇行の特徴の一つは、黒潮が潮岬で離れていることです。黒潮が潮岬で離れているかを観測で見る良い方法として、串本と浦神の潮位差を見るという方法が知られています(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。黒潮が紀伊半島に近づくと潮位差は大きくなり、黒潮が紀伊半島から離れると潮位差は小さくなります。現在、値は大きくなています。黒潮が潮岬に接岸している証拠となります。予測通りであれば、今後も黒潮は潮岬に接岸し、潮位差は大きい値が続きます。
八丈島の南を黒潮が通ると、八丈島の潮位が下がることが知られています(「黒潮が八丈島の南を流れているのをどうやって観測で確認するの?」参照)。現在、値は大きくなっており、黒潮が八丈島の北を流れている証拠になります。測通りであれば、潮位は大きい値が続きます。


参考: アンサンブル予測
JCOPEでは、上記の予測の他に、予測初期での条件を変えて予測がどれくらいの幅で変わるかという予測実験も行っています(JCOPE3Fによるアンサンブル予測)。下の参考図は2026年2月6日の黒潮の予測です。全24の予測をおこなっています。黒潮が八丈島の北を流れる接岸流路が過半数ですが、八丈島の南を流れる離岸流路を予測しているメンバーもあります。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。
2026年2月7日までの黒潮「長期」予測(2025年12月11日発表)