どうして小蛇行が大きく発達すると予測しているの?

図1はJCOPEによって推定された九州南方の4月11日の海流の状態です。九州南では小蛇行の種(その起源は台湾海域までさかのぼります)となる冷水(反時計回り)渦Aが九州南東に流れ込みつつあります。一方東からは暖水(時計回り)渦Bと冷水(反時計回り)渦Cが西に流され九州に近づきつつあります。

図2は5月10日の予測です。渦BCはさらに西に進んでいます。これらの渦は小蛇行Aを強め、沖に引き出すような働きをします。このような渦のパターンは小蛇行を発達させやすいことが知られています(参考文献参照)。これがJCOPEが小蛇行が発達すると予測している理由です。ただし、これは一ヶ月も先の予測ですので、今後の観測によっては修正される可能性があります。推移を監視していきます。

参考文献

図1

図1: 4月11日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

 

図2

図2: 5月10日の予測値。