高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、JCOPE-T DAによる短期予測(2週間先)とJCOPE2Mによる長期予測(2か月先)をおこなってます。ここでは2019年1月10日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2018年12月28日・来年1月4日・9日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で非常に大きく離岸しており、黒潮大蛇行と呼ばれる状態になっています[1](A)。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。
四国・室戸岬では、黒潮の離岸が続いていますが(C)、暖水舌がのびてくる時期がありそうです(図3)。足摺岬では接岸が続くと予測しています(D)。
伊豆諸島付近では黒潮が八丈島(図の●)の北、伊豆半島近くを通過しています(E)。
房総半島沖では黒潮の離岸が拡大すると予測しています(F)。
静岡県沖では時計回りの暖水渦が存在しています(G1)。さらに別の暖水渦が近づくと予測しています(G2, 図2,3)。ただし、今月の予測検証のようにJCOPE-T-DAは暖水渦の大きさを過大に予測する傾向があるようです。
図4は2018年12月25日午前9時から来年1月10日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は土曜日を除く毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 2018年12月25日午前9時から2019年1月10日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。