高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(10日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは10月17日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した10月10日・10月13日・10月17日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
室戸岬(C)では黒潮の離岸が続きますが、今は暖水舌が近くまで伸びています(図1)。足摺岬(D)では黒潮が一時的に離岸しつつあります(図1から2)。
黒潮が八丈島の北を東に流れていますが(G、図1)。房総半島の西で黒潮が近づき(E)、東で離れています(F)。
13日からは大蛇行の東側で水温が急激に低下していますが(図2から3)、これは予測されている台風19号の影響によるものです[2]。図4のアニメーションも参照してください。台風次第で状況は変化します。台風により、沿岸で高潮が発生する可能性があります。それについては今週の別記事「最近の水温と海面高度の状況(2019/10) 台風19号が近づく前の状況」で触れています。
図4は10月7日午前9時から10月17日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 2019年10月7日午前9時から10月17日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。