高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(10日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは11月7日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した10月30日・11月3日・11月6日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
大蛇行の南端から渦がちぎれそうな予測になっています。長期予測では、実際にちぎれたとしても大蛇行には大きな影響は無いと予測しています。
小さな蛇行(H)が足摺岬を通過している影響で、足摺岬ではやや離岸し、室戸岬(C)では暖水が近づいています(図1)。小さな蛇行(H)が東に移動するにつれて、足摺岬では黒潮が近づき、室戸岬では暖水が離れると予測しています(図2,3)。
黒潮が八丈島の北を東に流れています(G、図1)。黒潮は伊豆半島でやや岸から離れてますが(図1、E, F)。黒潮の接岸位置(G)は東に移動すると予測しています(図2,3)。
図4は10月28日午前9時から11月7日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

図1: 10月30日の予測値(日平均)。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2019年10月28日午前9時から11月7日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。