高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(10日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは今年5月7日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した4月29日・5月3日・5月6日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行から渦がちぎれるような予測になっていますが、人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイトで見る限り、その傾向は実際よりも過大に予測している可能性が高いです。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
室戸岬(C)では離岸が続きそうです(図1~3)。足摺岬(D)では離岸していますが(図1)、接岸すると予測しています(図2~3)。
黒潮が伊豆半島から離れていますが(E、図1)、近づくと予測しています(図2~3)。房総半島(F)で大きな黒潮の離岸が続きそうです。
黒潮が日本南岸で接岸する位置(G)は、東に移動しそうです(図1~3)。
図4は4月27日午前9時から5月27日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 4月27日午前9時から5月7日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。