陸上調査に比べ傭船費などのコストがかかる海洋資源の調査は、出来る限りその軽減を図って効率良い(採算性の高い)調査システムの開発が必要です。我が国周辺の海洋鉱物資源の場合、広域地図で示されるような数十万km2規模から、船舶や探査機が短期間で行動できる数百km2規模にまで海洋鉱物資源有望海域を絞り込まなければなりません。一方、海中は光や電波が届かないため、陸上のような空中写真や電磁波による広域観測が出来ないことから、地質学的・地球科学的根拠に基づいた手法を用いるほかに手段がありません。
そのため、資源の形成過程や濃集メカニズムを把握し、それらの成因をモデル化します。さらに、有望海域付近の海底下構造等を効率よく予測するため、特定海域の重点調査により海洋鉱物資源に特徴的な指標を特定します。同時に、これらの手法による海域絞り込みの手法が民間企業でも使用されるよう、調査プロトコルを構築します。
「ハイパードルフィン」などのROVでは海底の観察やマニピュレータを使ってサンプルの採取や様々な測定、作業を行います。
海底面下のサンプルを採取するためにはピストンコアラーとよばれる採泥器を使用してコア試料(柱状試料)を採取します。
固い岩石の場合は堀削して採取します。