2017年6月2日から8月3日の予測(6月7日発表)

黒潮は八丈島付近を流れています。小蛇行の一部が紀伊半島沖を通過し、潮岬で離岸しています。小蛇行通過後の四国・室戸岬では黒潮が近づいています。残りの小蛇行で九州東岸は離岸しています。房総半島では黒潮は離岸しています。紀伊半島を通過した小蛇行が発達し、黒潮の蛇行が非常に大きくなる可能性があります。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2M週2回の予測を行っています。ここでは2017年6月2日から8月3日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した6月2日と8月3日の黒潮の状態です。

黒潮は、八丈島付近を流れています。次第に八丈島の北に流れが移りつつあります(図1,2、接岸傾向su[1])。

房総半島沖では、冷たい水塊(離岸傾向α)に阻まれて、黒潮が離れています。

九州から四国沖では黒潮が大きく離岸(小蛇行)していた中から、小蛇行の一部(小蛇行1)が紀伊半島沖を通過しています(図1,2、離岸傾向v)。小蛇行通過のため、潮岬で離岸しています。小蛇行通過後の四国・室戸岬では黒潮が接岸しています。九州東部では、小蛇行の一部が残り(小蛇行2)、離岸が続いています。足摺岬は室戸岬と九州東部の中間で流れが不安定です。今週の小蛇行の解説も参照してください。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した6月2日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 6月7日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は6月14日・6月21日・8月3日の予測です。

小蛇行1(離岸傾向v)は次第に離岸が発達すると予測しています(図3,4)。7月以降には離岸(蛇行)が非常に大きくなる可能性があります(図5)。

接岸傾向uにより、黒潮はさらに北に移動し、八丈島の北を流れそうです(図3,4)

図6は、6月2日から8月3日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 6月14日の予測値。

 

Fig4

図4: 6月21日の予測値。

 

Fig5

図5: 8月3日の予測値。接岸・離岸の記号は略。

 


図6
: 2017年6月2日から8月3日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

「黒潮大蛇行は発生するか?」その後

2017年5月31日付けのAPLコラム「黒潮大蛇行は発生するか?」黒潮大蛇行が発生する可能性を解説しました。この欄ではその後の様子を見ていきます。

注目ポイントは、1.蛇行が本当に大きくなるか?2.蛇行が伊豆諸島の西にとどまるか?、の2つです。

まず、蛇行ですが、先週から今週にかけて発達している様子が見られます(図1、2)。蛇行は大きく発達するという予測は最新の予測(図3~6)でも続いています。「ひまわり8号」で観測された海面水温[2]を見ると(温度の高い帯が黒潮)、5月29日よりも6月5日のほうが少しだけ蛇行が大きくなり、水温が低い部分が広がっています(図中の青矢印)。「ひまわり」の画像には、蛇行の成長を助けると考えられる時計回りの渦の様子もとらえられています。

蛇行が伊豆諸島の西にとどまるかですが、かなり伊豆諸島に近づくものの、伊豆諸島の西に蛇行が踏みとどまるという予測が続いています(図3~図6)。

Fig7

図7:5月29日と6月5日に「ひまわり8号」で観測された海面水温。★は八丈島の位置。

  1. [1]接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字q,s,,が接岸傾向で、青字r,t,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通ですが、あらためて記号を振り直したところもあります)、同じアルファベット、例えば接岸傾向sが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。
  2. [2]ひまわり8号」の海面水温については、2015/10/9号・気象衛星「ひまわり8号」で見た黒潮を参照。JAXA提供の「ひまわり8号」海面水温データは、2016年8月31日からバージョン1.2にバージョンアップしています。鹿児島県水産技術開発センター和歌山水産試験場からも「ひまわり」の画像が公開されています。過去の「ひまわり8号」の水温データを使った解説一覧はこちら


JCOPE2Mは週2回の更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。