2015/01/31~04/09の予測(2015/2/6 発表)

現在、黒潮小蛇行が東進中で、紀伊半島に近づいています。伊豆沖では黒潮が離岸流路をとっています。
小蛇行は2月中旬以降に和歌山県潮岬沖を通過し、黒潮は離岸するでしょう。現在のところ、この離岸が黒潮大蛇行になる可能性は低く、さらに非大蛇行離岸流路が発達する可能性が高いです。小蛇行の通過にともない、九州・四国では黒潮が接岸して流れますが、3月末には九州南東に新たな小蛇行が発達する可能性が あります。
現状

図1と図2はJCOPE2で 計算した1月31日と2月6日の黒潮の状態です。四国沖から紀伊半島付近に反時計回りの循環があり、東に進んでいます。この循環が存在するところでは、黒潮が離岸しています。このような反時計回りの循環を「黒潮小蛇行」と呼びます。この小蛇行が通過した九州東部では黒潮が接岸しはじめています。
伊豆沖では、黒潮が八丈島の南を流れる非大蛇行離岸流路解説を参照)をとってます。

20150206_Fig1

図1: 1月31日の推測値。ベクトルは流速(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。 海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

 

20150206_Fig2

図2: 2月6日の予測値。

 

 

予測

小蛇行はさらに東に進み、図3のように、2月中旬にかけて和歌山県潮岬を通過し、そこで黒潮を離岸させるでしょう。小蛇行の通過にともない、四国では西から順に足摺岬から黒潮が接岸して流れるでしょう。
今のところこの和歌山沖の離岸が2005年以来の黒潮大蛇行(下の解説参照)に発達する可能性は低く、小蛇行はさらに東に進み、図4 のように伊豆沖の離岸流路をさらに強化すると見られます。3月下旬から九州南東に新たな小蛇行が発生する可能性があります。
図5は1月31日から4月9日までの予測をアニメーションにしたものです。

20150206_Fig3

図3: 2月18日の予測値。

 

20150206_Fig4

図4: 4月9日の予測値。

 

 

図5: 1月31日から4月9日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。

 

JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。

より専門的な分析に関してはKuroshio/Oyashio Watch (英語)をご覧下さい。

 

kurooya