小蛇行の通過は現場の観測でも見えていたの?

図1の上段は足摺岬沖に位置する黒潮牧場13号ブイ(位置は図1下段の星印)で測られた海面近くの海流速さの時間変化です。黒潮が足摺岬に近かった(黒潮流路/図1下段黒線)11月以前は1.5ノット近い海流がありましたが、12月から1月にかけて流速が小さくなっています。これは黒潮小蛇行が通過中で、黒潮が沖に離れ(黒潮流路/図1下段赤線)、流れが弱くなったためです。2月には、小蛇行が東に進んで去ったので、黒潮が足摺岬に近づきつつあり(黒潮流路/図1下段青線)、流速が再び大きくなってきています。2月11日には3ノットの流れが観測されました。このような観測をシミュレーションと比べて検証していくことが、予測の向上に欠かせません。

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図1: [上段]足摺岬沖黒潮牧場13号ブイで観測された表層流速の時間変化(2014年10月1日から2015年2月11日)。単位はノット。データは高知県漁海況情報システムから入手した。[下段]星印は黒潮牧場13号ブイの位置。黒線(2014年11月1日)、赤線(2015年1月15日)、青線(2015年2月11日)はJCOPEで推定した黒潮流路の中心位置。