2018年6月21日から7月19日の予測を検証します

毎月、過去1カ月の予測を検証する予定です[1]。今回は6月27日号の、6月21日から予測した7月19日までの結果を検証します。

予測と実際

6月27日号では黒潮大蛇行が続くと予測しました。その予測は当たっています。

図1上段は、6月21日から予測した7月19日の黒潮の状態です。図1下段は、観測値を取り入れて実際に近いと考えられる7月19日の状態です。図2は、同じく予測値(上段)と実際(下段)の比較を、6月21日から7月19日までのアニメーションにしたものです。

7月19日の予測(図1上段)は、実際(図1下段)の黒潮大蛇行の特徴である、潮岬が継続して離岸していること、黒潮の最南下点が北緯 32 度より南に位置することを予測できていました。黒潮の蛇行の行方については、毎週の黒潮予測記事でも、気象衛星「ひまわり」の海面水温などと比較しながら検証しています。

黒潮の一部が八丈島の南を流れる時期があると予測していました(6月27日号の図4)。実際その通りですが、その時期がずれていました(図1や図2の動画)。

6月27日号では、四国・室戸岬で離岸が続くと予測していました。これは、その通りでした。足摺岬では接岸かやや離岸と予測していました。これも、ほぼその通りでした。

房総半島沖では、予想していたような大きな離岸の変化はありませんでした(図2の動画参照)。

図1: [上段]6月21日から予測した7月19日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した2018年7月19日の解析値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤は八丈島の位置。

 


図2: 6月21日から7月19日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

黒潮大蛇行を作る渦の強さ

大蛇行を作る渦の強さを数値化するために、2014/3/14号「深海から黒潮大蛇行のこれからを予測する」で、深層の冷水面積(水深1000mの水温3℃以下の海域の面積)を渦の強さの指標として導入しました。

図3の点線は、6月27日号の予測による冷水面積の変化です。小さい値から大きな値への上昇を予測していました。実際には(黒線)、大きな値から小さな値への減少になりました。大きく違うように見えますが、6月27日号の予測では最終的には6×104km2弱、今週の予測でも6×104km2弱を予測していることから、結果としてはそれほどかわりません。

Fig2

図3: JCOPE2Mで推定と予測した冷水面積(水深1000mの水温3℃以下の海域の面積)の1日毎の時系列で黒潮大蛇行を作る冷水渦の強さの指標。単位は104平方キロメートル。黒線は観測を取り入れつつ推定した実際の値(解析値)。点線が6月21日から7月19日までの予測。参考のために前回の大蛇行が終了した2005年の時の時間変化を薄い線で重ねた。

 

  1. [1]2017/7/12号「黒潮流路はどれくらい先まで予測できるのか」でも解説しているように、1ヶ月はある程度の精度をもって予測できる限界に近い長さです。毎月の検証では、限界に挑戦するため1ヶ月先の予測の検証をしています。仮に検証で1ヶ月先の予測が当たっていない部分があっても、たとえば1週間先の予測が外れ続けたという意味ではないことにご注意ください。

美山 透

海の変化は、漁業海運エネルギー天候など様々なことに影響します。海洋予測がもっと身近なものになるように、頭をしぼって書いています。