昨年11月末にソウルにて開催された国際科学会議(ICSU)アジア太平洋地域委員会(RCAP)において、持続可能性を脅かすさまざまな問題が集中している東アジアの縁辺海とその沿岸域の抱える問題を学術面から総合的に捉えるプログラム“Sustainability Initiative for Marginal Seas in East Asia (SIMSEA)”の必要性が議論され、Future Earth計画への具体的な貢献の実現に向けて準備を進めることが話し合われた。本会合は、そのSIMSEA構想に向けたはじめの一歩としてブレーンストーミングを行うことを目的として、海洋研究開発機構とICSU RCAPが共催し、日本学術会議の後援を受けて開催された。マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、韓国、日本など東アジア縁辺海諸国からの海洋専門家に加え、APEC気候センター所長、ユネスコ政府間海洋学委員会WESTPAC事務局長、東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)前議長や海洋に関する国際連携組織等の関係者等が多数参加し、東アジアの縁辺海の持続可能性について活発な意見•情報交換を行った。併せて初日の会議終了後に懇談会を開催し、二日目には地球シミュレータツアーを行い、参加者に好評であった。
SIMSEAの理念とその豊かな未来像を参加者で共有することができた。特に、参加者同士の信頼関係を大事にし、過去の成功例(ビジネスモデルとしても成功したオゾンホール問題や里海計画、さまざまなステークホールダ―を連携するPEMSEAなど)を踏まえ、豊かな未来の地球を実現させるため東アジアの海洋国が一丸となってSIMSEAを推進する機運が盛り上がったことは大きな成果であった。具体的には、次の通りである。
SIMSEAは、
本研究会で共有したSIMSEA構想は非常にチャレンジングであり、具体的に実現するためには、財源をはじめとして様々なハードルを乗り越える必要がある。次の一歩として、以下のことを計画している。