2026年2月号:今年の春の天候は?

写真:横浜三溪園の梅(Copyright: JAMSTEC/APL)

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?2月に入り横浜では寒暖の差が大きくなりましたが、庭園などでは梅が見頃を迎えており、春の足音が聞こえております(写真)。これから季節が春に変わりますが、日本を含め世界の天候が気になりますね。

SINTEX-Fの季節予測によると、今年の3月から5月は、世界の多くの地域で気温が平年より高くなる見込みです。

また、インドネシア、中部熱帯太平洋の島嶼国では、雨が平年より少なくなる見込みです。一方で、西部熱帯太平洋の島嶼国では、雨が平年より多くなる見込みです。

今年の3月から5月までの気温と降水量は?

図1 2026年3月から5月までに予測される地上気温の平年差(ºC)。予測開始日は2月1日。黒点はシグナル(24個の異なる条件で予測した実験の平均値)がノイズ(24個の異なる条件で予測した実験の平均値からのずれ)より大きい所(ノイズの標準偏差の0.75倍以上)を表す。

今年の3月から5月までに予測される世界の気温を見てみましょう。SINTEX-Fの予測によると、世界の多くの地域で、気温が平年より高くなる見込みです(図1)。特に、アメリカ南部、メキシコ、中央アメリカ、ブラジル西部と南部、ウルグアイ、ペルー西部、チリ南部、ニュージーランド、オーストラリア、東アフリカ、南アフリカ東部、西アフリカの一部、ヨーロッパ西部と北部、ロシアの一部、中東の一部、東アジアの一部、中国の一部、東南アジアの一部、インドネシア、パプアニューギニア、ハワイ、西部熱帯太平洋の島嶼国では、予測されるシグナルがノイズより大きく(図1の黒点)、暖かくなりそうです。

図2:2026年3月から5月までに予測される降水量の平年差(mm/日)。予測開始日は2月1日。 黒点はシグナル(24個の異なる条件で予測した実験の平均値)がノイズ(24個の異なる条件で予測した実験の平均値からのずれ)より大きい所(ノイズの標準偏差の0.75倍以上)を表す。

次に、今年の3月から5月までに予測される世界の降水量を見てみましょう。SINTEX-Fの予測によると、インドネシア、中部熱帯太平洋の島嶼国では、予測されるシグナルがノイズより大きく(図2の黒点)、雨が平年より少なくなる見込みです(図2)。一方、西部熱帯太平洋の島嶼国では、雨が平年より多い予測となっています。

また、日本は多くの地域で気温が平年より高く、沖縄の周辺では雨が少なくなる見込みです。ただし、中高緯度の予測精度には限界がありますので、今後の情報に十分に注意されてください。

今年の3月から5月までの海面水温は?

図3:2026年3月から5月までに予測される海面水温の平年差(ºC)。予測開始日は2月1日。

日々の天気と異なり、季節を決める気候の変動には海水温が大きく関わっています(参照:季節予測とは?)。特に、熱帯は他の海域に比べて海面水温が高く、わずかな水温の変動が世界の気候に影響をもたらします。

SINTEX-Fの予測によると、今年の3月から5月まで太平洋の熱帯域は、海水温が平年並みとなる見込みです(図3)。また、インド洋の熱帯域は、海水温が平年並みとなる見込みです。

図4:2026年2月以降に予測される、エルニーニョ指数、インド洋ダイポール指数(ºC)。予測開始日は2月1日。黒線が観測値、複数のカラー線が24個の異なる条件で実験した予測値で、紫線が24個の予測値の平均値。

それでは、これら熱帯域の海水温の変動が今後どのように発達、減衰していくのでしょうか?そこで、海水温の変動が最もよく現れる海域で平均した海水温の平年差を見てみましょう。熱帯太平洋のエルニーニョ指数を見ると(図4上段)、ラニーニャ現象は徐々に減衰し、春の前半に平年並みとなり、その後、夏にエルニーニョ現象に遷移していく見込みです。ただし、予測値(24個のカラー線)の振幅にばらつきが見られるため、今後の情報に注意されてください。こうした傾向は、他の一部の研究機関の予測結果でも見られています。

一方、インド洋の海水温の変動ですが、インド洋ダイポール指数を見ると(図4下段)、春まで平年並みの状況が続き、その後、夏の半ばに正のインド洋ダイポール現象に遷移する見込みです。ただし、予測値(24個のカラー線)の振幅にばらつきが見られるため、今後の情報に注意されてください。こうした傾向は、他の一部の研究機関の予測結果でも見られています。

日本を含む世界の気候には、太平洋に発生するエルニーニョ・ラニーニャ現象だけでなく、インド洋など他の海域の水温の変動も影響を及ぼすことがわかっています。海洋起源の気候変動現象がこれからどのように変動し、世界の気候にどのような影響を与えるか、今後注意してみていきたいと思います。