2015/7/4から9/10の予測(7/10発表)

現在、黒潮は接岸流路になりました。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、紀伊半島・潮岬付近を通過中とみられます。
下流に移動した小蛇行の影響で、再び黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達すると予測しています。九州東部から四国・足摺岬付近にある小蛇行の残りが黒潮下流に移動するにつれて、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があり、その後接岸するでしょう。
現状

図1と図2はJCOPE2で計算した7月4日と7月10日の黒潮の状態です。黒潮の位置は先週の八丈島付近(図1)から北上し、今週は三宅島に近づき接岸流路(図2)になっています(今回解説参照)。

先週に紀伊半島・潮岬を通過中であった小蛇行(小蛇行1)は(図1)、今週は潮岬を東にぬけようとしています(図2)。取り残された小蛇行(小蛇行2)は、九州東岸から四国・足摺岬に位置しており、そのため黒潮が離岸しています(図2)。

Fig1

図1: 7月4日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 7月10日の予測値。

 

予測

図3と図4は8月1日と9月10日の予測です。

黒潮小蛇行1が下流に流され伊豆諸島に近づくにつれて、その影響で7月末から8月にかけて再び離岸し始め(図2)、再び黒潮は接岸流路から八丈島の南を流れる離岸流路になると予測しています(今回解説参照)。

小蛇行2も下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する時期があります(図3,4)。小蛇行の通過後に黒潮は接岸します。ただし、小蛇行2が下流に移動する時期は予測するたびに異なっており、確かな予測をするのは時期尚早のようです。今後注視していきます。

図5は7月4日から9月10日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 8月1日の予測値。

 

Fig4

図4: 9月10日の予測値。

 


図5: 7月4日から9月10日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。