2015/7/18から9/24の予測(7/24発表)

現在、黒潮は八丈島の北を流れる接岸流路です。黒潮が岸から離岸する小蛇行が発達し、東海沖を下流に移動しています。
下流に移動した小蛇行の影響で、再び黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が発達すると予測しています。九州東部から四国・足摺岬付近にある小蛇行の残りが黒潮下流に移動するにつれて、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで離岸する時期があるでしょう。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した7月18日と7月24日の黒潮の状態です。黒潮の位置は三宅島付近にあり接岸流路(図1,2)が続いています。

紀伊半島・潮岬付近から移動して来た小蛇行(小蛇行1)(図1)は、下流へと移動し、伊豆諸島に近づいています(図2)。この小蛇行1の影響で、東海沿岸に黒潮からの暖水が流入しやすくなっています(図1,2)。取り残された小蛇行(小蛇行2)は、九州東岸から四国・足摺岬に位置しており、そのため黒潮が離岸しています(図2)。

Fig1

図1: 7月18日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 7月24日の予測値。

 

予測

図3と図4は8月7日と9月24日の予測です。

黒潮小蛇行1が下流に流され伊豆諸島に近づくにつれて、その影響で8月に再び離岸し始めます(図3)。前回の予測より若干進行が遅くなっています。その後、再び黒潮は接岸流路から八丈島の南を流れる離岸流路になる(図4)と予測しています。

小蛇行2も下流に移動し、四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬まで順に黒潮が大きく離岸する時期があります(図4)。ただし、小蛇行2が下流に
移動する時期は予測するたびに異なっており、確かな予測をするのは時期尚早のようです。今回の予測では、7月終わりから8月初めに、小蛇行2を九州東部に残したまま、四国・足摺岬から四国・潮岬まで、いったん黒潮が接岸に向かうと予測しています(図3)。

図5は7月18日から9月24日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 8月7日の予測値。

 

Fig4

図4: 9月24日の予測値。

 

図5: 7月18日から9月24日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。

 


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。