高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 2月12日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年1月23日・2月3日・2月12日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
蛇行のくびれが大きくなってくると予測しています(図3)。黒潮が北上する流路はS字カーブ(B、C)が大きくなります。
四国・足摺岬(D)で黒潮が離れていますが、近づく予測です(図3)。
四国・室戸岬沖(E)では離岸していますが、黒潮から暖水が伸びて近づいています(図5も参照)。伸びた暖水は弱まると予測しています(図2~3)。
図4は1月23日午前9時から2月12日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2023年1月23日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2023年1月23日午前9時から2月12日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 四国南方の暖水舌
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は、四国南方の1月21日のの人工衛星「ひまわり」海面水温分布とモデルによる流速です。
黒潮は四国から離れていますが、黒潮から暖水が伸びており(暖水舌)、足摺岬南方で西に向かう流れ、北に室戸岬に向かう流れがあることがうかがえます。暖水舌はモデルの水温にも見られます(図1)。