高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 3月20日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年2月28日・3月10日・3月20日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
大蛇行はS字カーブを描いて北上しています。蛇行のくびれが大きくなってくると予測しています(図2~3)。
四国・足摺岬(D)で黒潮が近づいており(図1, 図6も参照)、さらに近づいた後(図2,)、離れていく予測です(図3)。
四国・室戸岬沖(E)では離岸していますが、まずは南から(図1~2、図6も参照)、次に東側から(図3)暖水が近づく予測になっています。
図4は2月28日午前9時から3月20日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2023年2月28日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2023年2月28日午前9時から3月20日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 四国南方の黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5と図6は、四国南方の2月20日と28日の人工衛星「ひまわり」観測による水温とモデルによる流速の推定値です。
2月20日比べて、2月28日には足摺岬でも室戸岬でも黒潮の暖水が近づいている様子がうかがえます。