高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 5月1日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年4月11日・4月21日・5月1日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。
大蛇行はS字カーブを描いて北上しています(B)。東西幅の狭い黒潮大蛇行になっています(図5,6参照)。房総半島からやや黒潮が離れた状態ですが(図1C)、近づきそうです(図2~3)。
四国・室戸岬(E)で黒潮が離れていますが(図1)、黒潮の支流が南から(図2)、その後に東から近づく(図3)という予測になっています。
四国・足岬沖(D)では離岸していますが、黒潮から枝分かれした暖水が近づくと予測しています(図1~3)。
図4は4月11日午前9時から5月11日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2023年4月11日午前9時から5月11日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 黒潮大蛇行の東西幅が狭まる
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。(注: 3月28日から4月3日までスーパーコンピュータ地球シミュレータの定期メインテナンスのために予測が更新されません)
今回はJAXAひまわり本体から図を紹介します。
図5と図6は3月11日と4月11日の人工衛星「ひまわり」観測による海面水温です。この1か月の間に黒潮大蛇行の東西幅が狭くなってきています(参考線)。