黒潮大蛇行が始まって約5年目9か月になり、過去最長期間になっています。大蛇行から渦がちぎれる可能性があります。 |
高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは6月28日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。
予測
図1は2023年4月19日の状態の推測値、図2・3は5月28日・6月28日の予測です。
黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, C)。2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が約5年9か月になっており、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」)。
渦が大きくちぎれる予測になっています(図2)。まだ先の予測なので実際に渦がちぎれるか、ちぎれてもどれくらいの規模か様子を見る必要があります。短期予測ではなかなか渦がちぎれない予測になっています。予測どおり渦がちぎれても、渦は再び黒潮にくっつきそうな予測です(図3)。2020年や2022年は、渦はちぎれて蛇行が弱くなる時期がありましたが、再び渦がくっつき、蛇行が再び強くなりました(2020年の黒潮をアニメーションで振り返る、2022年の黒潮をアニメーションで振り返る参照)。
八丈島(●)の北を通過する黒潮流路(B)ですが(図1~2)、南を流れる流路になる可能性があります(図3)。
四国・足摺岬に(C)に接岸する予測になっています(図3)。九州南東では黒潮が離れる流路になると予測しています(図2~3)。
図4は、2023年4月19日から6月28日までの予測をアニメーションにしたものです。
図4: 2023年4月19日から6月28日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。