高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは 8月14日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年7月25日・8月4日・8月14日の黒潮の状態です。水位0.3mの位置に太線を黒潮の流軸の推定値として加えています。
黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。A、B、Cと流れるS字カーブの蛇行は強化されると予測しています。
四国付近(D)では足摺岬からはやや離れ、室戸岬に暖水が近づいている状態です(図1、図5も参照)。今後は、黒潮がまず足摺岬に(図2) 、その後に室戸岬に近づく予測になっています(図3) 。
図4は7月25日午前9時から8月14日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2023年7月25日午前9時から8月14日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 四国付近の黒潮
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は7月26日の人工衛星「ひまわり」観測による海面水温とモデルによる流れの推定値です。暖水の分布から、黒潮は足摺岬からはやや離れ、室戸岬に近づいていることが示唆されます。
筆者は、黒潮が豊後水道にどのように入っているかを調べるため、豊後水道での観測に参加しています。