2023年12月25日までの黒潮「短期」予測 (2023年12月6日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 12月25日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年12月5日・12月15日・12月15日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

伊豆半島付近では黒潮が離れ(図1) 、近づき(図2) 、離れる(図3)と推移する予測です(C)。

黒潮が八丈島()の近くを流れる時期がありそうです(図2) 。

四国付近(D)では、黒潮が四国からやや離れた状態ですが、暖水が四国に近づいています(図1、図5も参照) 。今後、足摺岬に近づく予測です(図2~3) 。

冬に向けて全体的に次第に水温は下がってきます(図1~3) 。

図4は12月5日午前9時から12月25日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年12月5日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。黒太線は日平均海面水位0.3mの等値線で、黒潮流軸の指標。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2023年12月15日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2023年12月25日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年12月5日午前9時から12月25日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 四国付近の黒潮

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は12月4日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。

黒潮はやや足摺岬から離れていますが、分枝状の暖水(A, B) 、渦状の暖水(C)が沿岸に近づいています(図1も参照)。

Fig5

図5:12月4日午後2時の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)とモデルによる流れ(矢印)の推測値(線)(①で指定)。色の幅は15から25℃に設定した(②で指定)。