2024年1月8日までの黒潮「短期」予測 (2023年12月20日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは 来年1月8日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2023年12月19日・12月29日・来年1月8日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(長期予測も参照)。

伊豆半島付近と房総半島付近では黒潮がやや離れていますが(図1) 、近づく予測です(図2~3 B, C) 。Bから西に分岐する暖水は弱いですが(図1, 図5も参照)、強くなると予測されています(図3) 。

四国付近(D)では、黒潮に近づいています(図1) 。それがしばらく続きます(図2~3) 。

真冬に向けて全体的に次第に水温は下がってきます(図1~3) 。

図4は12月19日午前9時から来年1月8日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2023年12月19日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2023年12月29日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年1月8日午前9時の予測値。

 


図4: 2023年12月19日午前9時から2024年1月8日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


今週のハイライト: 東海沿岸の様子

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は12月18日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値とモデルによる流れの推定値です。黒潮大蛇行中のaからbに北上する流れは、直接紀伊半島の東にぶつかったり、bから西向きに分岐流が生じて東海沿岸の海水温を高めることが多いですが、現在はそれが強くありません。

Fig5

図5:12月18日一日平均の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値(色)とモデルによる流れの推定値(矢印)(①で指定)。色の幅は10から25℃に設定した(②で指定)。