高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは5月20日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した4月30日・5月10日・5月20日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(D)が続いています(図1, 長期予測も参照)。
大蛇行がいびつな流路になっていましたが、Aの部分が渦としてちぎれ、黒潮大蛇行らしい流路になっていくと予測されています(図2~3) 。現在は黒潮は沿岸から遠いところを流れていますが、一部の暖水が枝分かれして沿岸に近づいています(図1, 図5も参照)。
黒潮大蛇行らしい流路になるにつれて黒潮が東海・関東沿岸に近づく予測です(B, C、図1~3) 。
黒潮が四国から大きく離れています(図1, E) 。一部の暖水が四国沿岸に分岐しています。今後、黒潮が四国に近づくと予測されています(図2~3, F) 。
夏に向けて全体的に水温が上がっていきます。
図4は4月30日午前9時から5月20日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年4月30日午前9時から5月20日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 黒潮からの枝分かれ
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は4月30日の人工衛星「ひまわり」による海面水温の観測値です。
水温が最も高いところが黒潮からの暖水だと考えられ、矢印付きの線を結んでいます。その黒潮の本流から暖水が枝分かれして(a,b,c)、岸に暖水が近づいています。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。