new2026年2月6日までの黒潮「短期」予測 (2025年12月17日発表)

  • JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
  • JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)

を行っています。

ここでは来年1月6日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した12月17日・12月27日・来年1月6日の黒潮の状態です。

黒潮は八丈島に近づいています(C)。 黒潮は房総半島に接近しています(B)。潮岬(E)でやや離岸(図5参照)、室戸岬(F)でやや離岸、足摺岬(G)で接岸しています。

黒潮は八丈島の北を流れるようになると予測しています(図3, D)。長期予測が正しければ、これは一時的です。房総半島(A)では黒潮が離れる予測です(図3 C)。潮岬(E)では接岸します。室戸岬(F)では接岸、やや離岸と変化しそうです。足摺岬(G)では、離岸する可能性があります(図3)。

冬に向けて全体的に水温が下がっていきます(図1~3)。

図4は12月17日午前9時から来年1月6日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間ごとの図でアニメーションにしています。

Fig1
図1: 2025年12月17日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年12月27日午前9時の予測値。

 

Fig3
図3: 図1に同じ。ただし2026年1月6日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年12月17日午前9時から2026年1月6日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 潮岬付近の黒潮

図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された12月16日の海面水温です。

水温から推定される黒潮本流(太線)は、潮岬からやや離れています(長期予測記事の図5も参照)。代わりに分枝流の暖水が潮岬に近づいているように見えます(細矢印)。

Fig5
図5: 2025年12月16日一日平均の人工衛星「ひまわり」観測の海面水温(色)(①で指定)(リンク)。水温の色の範囲を15~25度とした(②で指定)。水温分布から黒潮本流(太矢印)と分枝流(細矢印)を推定した。

 

 



JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。