高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
-
- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは7月29日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した7月17日・7月27日・8月6日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。
A→B→Cという大蛇行からの北上流のS字カーブが強化されると予測しています(図1~3) 。東海から関東にかけて黒潮が沿岸に近づきそうです(B-C) 。房総半島の黒潮の間に水温の冷たい海域ができています(図1 C)。今後、やや温度が上昇する可能性があります(図3)。
四国・足摺岬では黒潮が近くを流れていますが(図1~2, D)、次第に離れると予測しています(図3) 。九州の南から東にかけて、黒潮が九州から離れ(E)、それが拡大しそうです(図5も参照)。九州の南からDに合流する流れも存在します(F)。
夏に向けて全体的に水温が上がっていきます。
図4は7月17日午前9時から8月6日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
図4: 2024年7月17日午前9時から8月6日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 続・九州南の冷水域
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は人工衛星「ひまわり」で観測された7月17日の海面水温です。温度が高い所を結んだ線(黒線)が黒潮の流れているところだと考えられます。九州南には比較的水温が低くなっている所(C)があり、黒潮はそこを迂回して流れています。
先週のハイライトで述べたように、予測通り冷水域が広がってきています。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。