2024年12月20日までの黒潮「短期」予測 (2024年12月11日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは12月20日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した12月10日・12月20日・12月30日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

ABCと流れる黒潮は、S字カーブが大きくなると予測されています。

黒潮は四国から離れています(図1D、図5も参照) 。黒潮が室戸岬に近づくと予測されています(図2~3)。

冬が進むにつれ全体的に水温が低下します。

図4は12月10日午前9時から12月30日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2024年12月10日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2024年12月20日。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2024年12月30日午前9時の予測値。

 


図4: 2024年12月10日午前9時から12月30日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 暖水と冷水の境目

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は人工衛星「ひまわり」で観測された12月10日の海面水温です。

黒潮による暖水と沿岸の冷たい水の境目の形が波状になっています(図1も参照)。冬にはこのような波状の構造が現れやすくなります。

Fig5

図5:12月10日一日平均の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色, ①で指定)。色の範囲を19~25℃にした(②で指定)。波状の構造が現れている場所に矢印を加えた。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。