高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは1月28日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した1月8日・1月18日・1月28日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。
A→B→Cと流れる黒潮は、S字カーブが大きくなっています(図1, 図5も参照)。その後、Bの部分は暖水渦としてちぎれると予測しています(図2)。この暖水渦はやがてきえていきます(図3)。
黒潮本流から暖水が伸びて、今後、黒潮が室戸岬から潮岬に近づくと予測されています(図1~3, D, 図5も参照)。
図4は1月8日午前9時から1月28日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2025年1月8日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2025年1月8日午前9時から1月28日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: くびれた大蛇行
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は1月8日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温です。
水温からは、東海沖で、S字カーブを描いて黒潮が北上している様子がうかがえます(赤矢印)。
一方で、四国から紀伊半島にかけては、黒潮は近づいた後、南下しています(黒矢印)。
結果として、黒潮大蛇行を作る冷水塊は、赤矢印と黒矢印の黒潮が接近するくびれたような形になっています。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。