2025年5月20日までの黒潮「長期」予測(2025年3月19日発表)

 

黒潮大蛇行が始まって7年8か月目になり、過去最長期間になっています。黒潮大蛇行はまだ続くと予測していますが、渦が再びちぎれ、蛇行が縮小する可能性があります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは5月20日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2025年3月11日の状態の推測値、図2・3は4月20日、5月20日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が7年8か月目になっており、1975-1980年の4年8か月を大幅に超え、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。

大蛇行から渦がちぎれていますが(A’) 、黒潮大蛇行を終わらせるほどではありません。

黒潮大蛇行の指標となっている串本浦神の潮位差(気象庁)にも変化は見られません(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。

さらに渦がちぎれる可能性があります(図2, A”)。それにより、蛇行が縮小するかもしれません(図2~3, A)。

蛇行が縮小する影響で、八丈島()の北を流れる流路(図1~2)が、南を流れる流路になる可能性があります(図3)(B) 。

黒潮が四国にやや近づいた状態から(図1, C)、黒潮が離れ(図2)、再び近づく予測になっています(図3) 。

図4は、2025年3月11日から5月20日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2025年3月11日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2025年4月20日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年5月20日の予測値。

 


図4: 2025年3月11日から2025年5月20日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。