2025年4月7日までの黒潮「短期」予測 (2025年3月19日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは4月7日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した3月18日・3月28日・4月7日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

以前、黒潮大蛇行の南端からちぎれた冷水渦は、蛇行の南東に移動し、図1の外にあります(図5参照)。

蛇行は東西に狭い形になっており、安定さを欠いています。その影響か、今回の黒潮の予測は、あまり信頼できそうもない不自然な黒潮の動きになっています。今週の長期予測のように、さらに渦がちぎれる可能性がありそうです。

図4は3月13日午前9時から4月2日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2025年3月13日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年3月23日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年4月2日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年3月13日午前9時から4月2日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: ちぎれた渦の行方

JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。

図5は3月13日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温です。

以前に大蛇行からちぎれた渦は大蛇行から離れ、南東に位置しています(A’)。現在の大蛇行はDBの距離が近く、東西に幅の狭い形になっています。

Fig5

図5:2025年3月13日一日平均の人工衛星観測「ひまわり」観測海面水温(色)(①で指定)。色の範囲を10~25℃にした(②で指定)。

 

 



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。