高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは4月7日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した3月18日・3月28日・4月7日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。
以前、黒潮大蛇行の南端からちぎれた冷水渦は、蛇行の南東に移動し、図1の外にあります(図5参照)。
蛇行は東西に狭い形になっており、安定さを欠いています。その影響か、今回の黒潮の予測は、あまり信頼できそうもない不自然な黒潮の動きになっています。今週の長期予測のように、さらに渦がちぎれる可能性がありそうです。
図4は3月13日午前9時から4月2日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

図1: 2025年3月13日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸(●)が八丈島の位置。クリックすると拡大します。
図4: 2025年3月13日午前9時から4月2日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: ちぎれた渦の行方
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイト (「JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトがリニューアル」)から特徴的な図を毎週紹介します。黒潮親潮ウォッチは1週間に一回の更新ですが、海中天気予報のサイトではほぼ毎日予測が更新されます。
図5は3月13日の人工衛星「ひまわり」で観測された海面水温です。
以前に大蛇行からちぎれた渦は大蛇行から離れ、南東に位置しています(A’)。現在の大蛇行はDとBの距離が近く、東西に幅の狭い形になっています。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。