2025年4月23日までの黒潮「短期」予測 (2025年4月4日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは4月23日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した4月3日・4月13日・4月23日の黒潮の状態です。

黒潮大蛇行(A)が続いています(図1, 長期予測も参照)。

蛇行は東西に狭い形になっており、安定さを欠いています。その影響か、今回の黒潮の予測は、あまり信頼できそうもない不自然な黒潮の動きになっています。今週の長期予測のように、さらに渦がちぎれる可能性がありそうです。

図4は4月3日午前9時から4月23日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

Fig1

図1: 2025年4月3日午前9時の予測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C) 。1度毎の等温線も薄く加えた。青丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

図2: 図1に同じ。ただし2025年4月13日午前9時の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年4月23日午前9時の予測値。

 


図4: 2025年4月3日午前9時から4月23日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

今週のハイライト: 1km解像度版の公開!

JAMSTECアプリケーションラボとJAXAで、JAXAが作成する衛星海面水温を、JAMSTECの海洋循環モデルに同化した日本周辺の約3km空間解像度の海中天気予報(JCOPE-T DA)を2018年からJAXAのサイトで公開していました。新たに、空間解像度を約1km高解像度(JCOPE-T 1ks)に向上した新しい海中天気予報の公開を始めました。

公開サイトはhttps://www.eorc.jaxa.jp/ptree/ocean_model/index_1km_j.htmlです。

従来のJCOPE-T DAの予測も引き続き公開しています。 https://www.eorc.jaxa.jp/ptree/ocean_model/index_3km_j.html

詳しい説明は海中天気予報1km解像度版の公開をご覧ください。

予測が高分解能化したことに加え、表示方法も改良したので、以前よりも細かいところまで流速の予測を見ることが可能になっています(図1)。

ぜひ使ってみてください。

黒潮親潮ウォッチでは、黒潮「短期」予測のモデルをJCOPE-T DAからJCOPE-T 1ksに変える準備をしています。

Fig5

図5:2025年4月8日12時の伊豆半島/伊豆大島付近の海面水温(色)と流れ(矢印)の予測(①で指定)。ズームした時に以前より細かい所ま流速の流れを見ることができるようになっています。水温の色の範囲の色の範囲を15~20度、流れの速さをしめす色の範囲を0~1メートル毎秒にしています(②で指定)。以前と異なり、水温の範囲だけでなく、流れの速さの色も変えられるようになっています。

 

 

 



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。