黒潮大蛇行に関するウェザーニュースの記事に取材協力しました。
タイトル | 昨年から続く黒潮大蛇行、今後の生活や気象への影響は? |
掲載日時 | 2018年8月12日 |
掲載 | ウェザーニュース |
URL | https://weathernews.jp/s/topics/201808/020165/ |
解説
黒潮大蛇行と高潮
黒潮大蛇行が発生すると関東から東海沿岸では高潮が発生しやすくなるとされています。その理由については「黒潮大蛇行で浸水被害?」で解説しています。
2017年の台風21号が静岡に上陸した時には、黒潮大蛇行の影響により通常より約20~30 cm潮位が高く、東海地方での高潮・高波の被害につながった一因とされています。この時の状況については、「2017/10/24放送・NHK総合「ニュースウォッチ9」台風21号による高潮」で解説しています。気象庁も「気候変動監視レポート2017」のトピックスの中で、この時の東海地方における高潮・高波の被害を取り上げています。
今年(2018年)の台風12号による小田原や熱海での高波の被害の時は、通常より潮位が5cmほど高い状況でした。仮にこれが黒潮大蛇行によるものだとしても、2017年の台風21号の時ほど影響は大きく無かったと考えています。
黒潮大蛇行はまだ続いており、流れの状況によって通常より潮位が高くなるので、今後も注意が必要です。
黒潮大蛇行と東京の雪
今年(2018年)1月の東京の雪に関しては、JAMSTECニュース「コラム:2017年と2018年の冬季前半における日本付近の寒さと雪」で解説しています。
黒潮が大きく蛇行している時に、南岸低気圧にともなう雪が東京に降りやすいという研究は、鹿児島大学の中村啓彦教授らによるものです。
プレスリリース:『黒潮大蛇行の低気圧と降雪への影響を発見』(2012年9月25日 pdf)
東京大学海洋アライアンスの保坂直紀上席主幹研究員による解説が、知って楽しい海の話「南岸低気圧と黒潮」にあります。
過去の黒潮大蛇行
過去の黒潮大蛇行については「黒潮大蛇行の歴史」で解説しています。
黒潮大蛇行の発生メカニズム
岩波書店『科学』 特集:黒潮の恵み 「黒潮大蛇行と予測」に書いた解説などをご参照ください。