2025年6月13日までの黒潮「長期」予測(2025年4月11日発表)

黒潮大蛇行が始まって7年9か月目になり、過去最長期間になっています。渦が再びちぎれ、蛇行が縮小する可能性があります。

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

を行っています。

ここでは6月13日までのJCOPE2Mによる長期予測を解説します。長期予測では、黒潮大蛇行の予測がテーマです。

予測

図1は2025年4月4日の状態の推測値、図2・3は5月13日、6月13日の予測です。

黒潮は大蛇行状態が続いています(図1, A)2017年8月に始まった黒潮大蛇行は期間が7年9か月目になっており、1975-1980年の4年8か月を大幅に超え、観測史上最長になっています(「黒潮大蛇行が観測史上最長期間に」) 。

大蛇行から渦がちぎれていますが(A’) 、黒潮大蛇行を終わらせるほどではありません。黒潮大蛇行の指標となっている串本浦神の潮位差(気象庁)にも変化は見られません(「潮岬への黒潮接岸判定法は?: 串本・浦神の潮位差」参照)。

さらに渦が立て続けにちぎれる可能性があります(図2, A”)。予測通りであれば蛇行が大幅に小さくなりそうですが、実際にどうなるかは、実際にちぎれるか?、ちぎれるとしたらどれくらいの規模か?ちぎれた渦が黒潮に再びくっついて蛇行になるか?(図3 A’+,A”)によります。

八丈島()の北を流れる流路が続いていますが(図1,2)、黒潮大蛇行が予測通り縮小すれば、八丈島の北を流れる流路になる可能性もあります(図2)(B)。

黒潮が四国から離れた状態から(図1, C)、近づく予測になっています(図3) 。

図4は、2025年4月4日から6月13日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig1

図1: 2025年4月4日の推測値。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面水位(メートル, 相対値)。赤丸()が八丈島の位置。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 図1に同じ。ただし2025年5月13日の予測値。

 

Fig3

図3: 図1に同じ。ただし2025年6月13日の予測値。

 

 


図4: 2025年4月4日から2025年6月13日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。