高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
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- JCOPE-T DAによる短期予測(20日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは5月18日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した4月28日・5月8日・5月18日の黒潮の状態です。
黒潮大蛇行から渦がちぎれており(A’)、蛇行が大幅に小さくなっています(A)。ただ、まだ黒潮が紀伊半島の潮岬から離れており大蛇行が終わったとまでは言えません(図5も参照)。
今後は大蛇行が再発達するかが注目点になります。予測は、Dの部分の蛇行がちぎれた渦(A’)とくっつく形で、蛇行が再発達すると予測しています(図5も参照)。今週の長期予測の結果も参照してください。
B→Cの部分の黒潮が東海・関東沿岸に近づいてくる予測になっています。Eの部分の黒潮は四国室戸岬に近づく予測です。
夏に向かって、全体的にしだいに水温が上昇してきます。
図4は4月28日午前9時から5月18日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。



図4: 2025年4月28日午前9時から5月18日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: ちぎれそうな大蛇行
図5はJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで見た、人工衛星「ひまわり」で観測された4月29日の海面水温です。
大蛇行から渦がちぎれており(A’)、黒潮はまっすぐに流れる形になっています。しかし、紀伊半島の潮岬から黒潮はまだ離れており、黒潮大蛇行が終わったとまでは言えません。このまま大蛇行が終わっていくか、蛇行が再発達していくか、今後の変化が注目されます。予測によれば、やや蛇行しているDの部分が、ちぎれた渦A’にくっつく形で蛇行が発達する可能性があります。

JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。