現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が著しく発達しています。四国・室戸岬で黒潮が岸に近づいています。 黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続するでしょう。九州東岸から和歌山・潮岬までは小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです。房総半島で黒潮はしだいに離岸しますが、11月に再び接岸すると予測しています。 |
現状
図1と図2はJCOPE2で計算した9月26日と10月3日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が著しく発達しています(離岸傾向d, ※1)。
黒潮は、四国・足摺岬と和歌山・潮岬では接岸してましたが(図1)、接岸・離岸傾向の下流への移動とともに離岸ぎみです(図2)。代わりに、四国・室戸岬で離岸ぎみから(図1, 離岸傾向f)、接岸に移行しています(図2, 接岸傾向g)。
黒潮は、房総半島で接岸していましたが、しだいに流れが東に離れつつあります(図1,2)。
※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットa,b,c,d,,,で図示しています。赤字a,c,,,が接岸傾向で、青字b,d,,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通(前号とも共通)で、同じアルファベット、例えば接岸傾向gが、上流から下流に移動していることをしめしています。
予測
図3と図4は10月13日と12月3日の予測です。
八丈島の南を流れる離岸流路は当面安定して継続するでしょう(図3,4)。
九州東岸から和歌山・潮岬までは、一連の接岸・離岸傾向の移動により、小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです(図3,4)。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。
房総半島では、離岸傾向bをきっかけに黒潮が離岸しますが(図3)、11月から12月にかけて再び接岸する(接岸傾向g)という予測になっています(図4)。
図5は9月26日から12月3日までの予測をアニメーションにしたものです。
図5: 9月26日から12月3日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。
JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。