- JCOPE-T DAによる短期予測 (20日先)
- JCOPE3Mによる長期予測 (2か月先)
を行っています。
ここでは11月11日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3は、JCOPE-T DAで計算した10月22日・11月1日・11月11日の黒潮の状態です。
気象庁と海上保安庁は、黒潮大蛇行が2025年4月に終息したとの判断を発表しています(2025年8月29日発表)。しかし黒潮大蛇行の余波は続いています(「2025年の黒潮のこれまでをふりかえる」参照)。黒潮からちぎれていた渦が吸収される形で、蛇行が発生しています(図1 A”)。
黒潮は八丈島の南を流れています(図1 A”)。
黒潮からの分岐流がありますが(B, E)、水温は高くないようです。(図1 E)。四
国から紀伊半島にかけて黒潮が近づいています(D)。
A”の蛇行が東に移動し、黒潮が八丈島に近づくと予測されています(図2~3)。
房総半島付近(C)では黒潮が離れる予測になっています(図3)。
黒潮は四国から紀伊半島に接岸が続きます(D)。九州東からは離れると予測されています(F)(図2~3)が、この予測モデルの癖で過剰に予測している可能性があります。
冬に向けて水温が下がっていきます(図1~3)。
図4は10月22日午前9時から11月11日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間ごとの図でアニメーションにしています。



図4: 2025年10月22日午前9時から11月11日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
今週のハイライト: 台風の跡
JAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトでは、人工衛星「ひまわり」9号の障害のために一部のプロダクトの提供が停止しています。また今週は雲が多く、あまり黒潮の観測がありません。そのため今週はこのコーナーの更新はありません。
海洋予測に関してはJAXAひまわりモニタ・海中天気予報のサイトで毎日更新されています。
JCOPE3Mは水平1/12度の分解能で2か月先までの予測を行っています。予測は毎日更新されています。