4月23日から6月30日の予測(4月29日発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路になっています。黒潮が四国・足摺岬、室戸岬と、紀伊半島・潮岬で接岸しています。房総半島で黒潮が接岸していますが、離岸しつつあります。
黒潮流路は、5月過ぎまで八丈島の南を流れる離岸流路になりますが、5月中旬頃から八丈島の北を流れる接岸流路傾向に推移すると予測しています。沿岸では、小刻みな離岸と接岸の繰り返しが起こるようになりそうです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した4月23日と4月30日の黒潮の状態です。黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路になっています(図1,2)。

房総半島では、接岸傾向g(※1)により接岸していますが(図1)、離岸傾向hにより離岸しつつあります(図2)。

四国・足摺岬、室戸岬と、紀伊半島・潮岬で接岸ししています(図1,2)。足摺岬では離岸傾向pで接岸がやや弱くなっています(図2)。潮岬付近で接岸傾向mにより黒潮が北に押し上げられている様子は、2016/4/28号”「ちきゅう」のための海流予測 (12)  観測終了!”でも見られています。

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットg,h,,で図示しています。赤字g,i,,が接岸傾向で、青字h,j,,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通ですが、小刻みな変動が増えているので新たにアルファベットを振り直した部分もあります)、同じアルファベット、例えば接岸傾向kが、上流から下流に移動していることをしめしています。

Fig1

図1: 4月23日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 4月29日の予測値。


予測

図3と図4は5月16日と6月30日の予測です。

5月過ぎまで八丈島の南を流れる離岸流路が続きますが、接岸傾向mが八丈島に達する5月中旬頃から減衰し(図3)、八丈島の北を流れる接岸流路傾向に推移すると予測しています(図4)

黒潮上では、離岸傾向と接岸傾向が小刻みなものになり、沿岸での離岸と接岸は小さめになりそうですが(図3)、6月頃から再び大きくなってくるかもしれません(図4)。

図5は4月23日から6月30日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 5月16日の予測値。

Fig

図4: 6月30日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 4月23日から6月30日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。