7月30日から10月6日の予測(8月5日発表)

現在、黒潮が八丈島付近を流れています。黒潮が室戸岬・潮岬で接岸しています。房総半島沖で黒潮が大きく離れています。
黒潮流路は、八丈島付近を接岸と離岸の間で変動するでしょう。九州東に小蛇行が発生するかもしれません。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した7月30日と8月5日の黒潮の状態です。黒潮は、接岸傾向s(※1)の影響で八丈島の北寄りを流れていましたが(図1)、先週までの予測どおり離岸傾向tが接近しており、流路が南に移りつつあります(図2)。

黒潮は、四国・足摺岬で離岸しています(図1,2、離岸傾向β)。四国・室戸岬、紀伊半島・潮岬では接岸しています(図1,2, 接岸傾向α)。九州南東で離岸しています(図1,2, 離岸傾向x)。

房総半島沖では、黒潮が大きく離れている中、先週は接岸傾向rで岸にやや近づいていましたが(図1)、離岸傾向pのため再び離れています(図2)。

FIg1

図1: 7月30日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

Fig2

図2: 8月5日の予測値。

 

※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットp,r,,で図示しています。赤字r,s,,が接岸傾向で、青字p,t,が離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図3まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば接岸傾向sが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。

 

予測

図3と図4は8月13日と10月6日の予測です。

黒潮流路は、離岸傾向t通過のため八丈島の南寄りに一旦なりそうです(図3)。ただ離岸の程度は先週の予測より小さくなりそうです。八丈島付近で離岸の縮小と発達が繰り返されますが、その後、八丈島の南を流れる離岸流路になるだろうと予測しています(図4)。先週の検証記事も参照してください。

九州東岸では離岸傾向が大きく発達(小蛇行)すると予測しており(図4)、注目されます。

図5は7月30日から10月6日までの予測をアニメーションにしたものです。

FIg3

図3: 8月13日の予測値。

FIg4

図4: 10月6日の予測値。図3から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図5: 7月30日から10月6日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。