2016年10月17日から12月22日の予測(10月22日発表)

現在、黒潮が八丈島の北に移りつつあります。房総半島で離岸しています。黒潮流路は、八丈島の北を流れる接岸流路になるでしょう。その後、再び離岸流路になる可能性があります。

図1と図2はJCOPE2の改良版であるJCOPE2Mで計算した10月17日と10月22日の黒潮の状態です。

八丈島付近を流れていた黒潮(図1)は、離岸傾向β(※1)の下流への移動、接岸傾向cの接近にともない、八丈島の北に移りつつあります(図2)。東海沖では伊豆諸島方面から暖水が入り込んでいます(図1,2)。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては接岸とやや離岸を小刻みに繰り返しています(図1,2)。四国の南の黒潮については、「ちきゅうのための海流予測」でも情報を提供しています。九州南東では離岸しています(離岸傾向j)。

房総半島では、離岸傾向βの下流への移動のため離岸しています(図1,2)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した10月17日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 10月22日の予測値。

 


予測

図3・図4・図5は10月29日・11月5日・12月22日の予測です。

黒潮は、八丈島の北を流れる接岸流路になるでしょう(図3,4)。その後、再び離岸が発達する可能性があります(図5)。

房総半島沿岸では、離岸と接岸の入れ替わりが大きくなりそうです(図3,4)。

九州東岸での離岸(離岸傾向j)が次第に下流に移動します(図3,4)。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです。四国の南の黒潮については、「ちきゅうのための海流予測」でも予測しています。

図6は10月17日から12月22日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 10月29日の予測値。

Fig4

図4: 11月5日の予測値。

Fig5

図5: 12月22日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。


図6: 10月17日から12月22日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。


※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字α,c,が接岸傾向で、青字β,dが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通ですが、状況の変化にともない一部入れ替えてます)、同じアルファベット、例えば離岸傾向βが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。