黒潮は八丈島付近を流れています。房総半島で接岸しています。九州から紀伊半島にかけては小規模な離岸と接岸が繰り返されています。黒潮流路は八丈島付近を南北に移動しそうです。 |
図1と図2はJCOPE2の改良版であるJCOPE2Mで計算した11月6日と11月11日の黒潮の状態です。
黒潮は八丈島付近を流れています。黒潮は八丈島の南を流れた後(離岸流路)、東海沖を東側から回り込むよう流れ、いわゆるS字型を描いて流れていましたが(図1)、黒潮はやや北上し(接岸傾向e ※1)、S字型の流れはは解消方向です(図2)。S字型から流れ込んでいた暖水(図1)が、取り残されるような形で東海沖に暖水が存在しています(図2)。
四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。四国の南の黒潮については、「ちきゅうのための海流予測」でも情報を提供しています。
房総半島では、接岸傾向cの接近により接岸しています。
予測
図3・図4・図5は11月18日・11月25日・2017年1月12日の予測です。
黒潮は、接岸傾向・離岸傾向の通過にともない、八丈島付近を南北に移動しそうです。その後、長期的には再び離岸が発達する可能性があります(図5)。
房総半島沿岸では、離岸と接岸の入れ替わりが大きくなりそうです(図3,4)。
九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです。四国の南の黒潮については、「ちきゅうのための海流予測」でも予測しています。
図6は11月6日から2017年1月12日までの予測をアニメーションにしたものです。
図6: 11月6日から2017年1月12日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。
※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字c,eが接岸傾向で、青字d,fが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば離岸傾向dが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。
JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。