2016年12月22日から2017年2月23日の予測(12月28日発表)

黒潮は八丈島付近を流れています。四国・足摺岬と紀伊半島・潮岬で接岸、四国・室戸岬でやや離岸しています。房総半島から黒潮が離れています。黒潮流路はこれから接岸流路に変化した後、しばらく続きそうです。

JCOPE2の改良版であるJCOPE2Mは週2回の予測を行っています(解説参照)。ここでは2016年12月22日から2017年2月23日の予測を解説します。

現状

図1と図2はJCOPE2Mで計算した12月22日と12月28日の黒潮の状態です。

八丈島付近を南北に移動してい黒潮は、接岸傾向i(※1)の接近により、八丈島の北を流れる接岸流路的な状況に傾いています(図1,2)。今月の予測検証も参照してください。

四国・足摺岬から紀伊半島・潮岬にかけては小規模な接岸と離岸の繰り返しになっています。現在は、足摺岬と潮岬で接岸(接岸傾向m接岸傾向k)、室戸岬でやや離岸(離岸傾向l)になっています(図2)。

房総半島では黒潮が遠ざかっています(図2, 離岸傾向h)。

Fig1

図1: 観測値を取り入れて作成した12月22日の推測値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 12月28日の予測値。

 

予測

図3・図4・図5は1月4日・2017年1月11日・2月23日の予測です。

黒潮は、接岸傾向・離岸傾向の通過にともない、八丈島付近から北を移動しそうです。接岸傾向iの発達で八丈島の北を流れる接岸流路になる(図3)と予測しています。接岸傾向の接近により八丈島に近づく時期もありますが(図4,5)、八丈島の南を流れるほど離岸は発達しないという予測になってきています。今月の予測検証も参照してください。

房総半島沿岸では黒潮が離岸していますが、接岸傾向iの接近で黒潮が近づく時期がありそうです(図3)。

九州東岸から紀伊半島・潮岬にかけては、接岸とやや離岸の小刻みな繰り返しが続きそうです(図3,4)。

図6は12月22日から2017年2月23日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 2017年1月4日の予測値。

 

Fig4

図4: 2017年1月11日の予測値。

 

Fig5

図5: 2017年2月23日の予測値。図4から個々の離岸・接岸傾向の追跡が難しいためアルファベットは略。

 


図6: 12月22日から2017年2月23日までの予測のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。


※1 接岸と離岸の傾向を上流から一連のアルファベットで図示しています。赤字g,iが接岸傾向で、青字f,hが離岸傾向です。黒潮上に接岸・離岸傾向は交互にあらわれており、黒潮が波うっている様子をあらわしています。接岸・離岸傾向は黒潮の流れで下流に流されます。アルファベットは図1から図4まで共通で(前号とも共通です)、同じアルファベット、例えば離岸傾向hが、上流から下流に位置が動いていることをしめしています。



JCOPE2Mは4日毎に更新を行っています(解説参照)。JCOPE2Mの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照ください。図の見方は連載: JCOPE2解析・予測画像の見方で解説しています。