2018年1月26日から2月23日の予測を検証します

毎月、過去1カ月の予測を検証する予定です[1]。今回は1月31日号の、1月26日から予測した2018年2月23日までの結果を検証します。

予測と実際

1月31日号では黒潮大蛇行が続くと予測しました。その予測は当たっています。

図1上段は、1月26日から予測した2月23日の黒潮の状態です。図1下段は、観測値を取り入れて実際に近いと考えられる2月23日の状態です。図2は、同じく予測値(上段)と実際(下段)の比較を、1月26日から2月23日までのアニメーションにしたものです。

2月23日の予測(図1上段)は、実際(図1下段)の黒潮大蛇行の特徴である、潮岬が継続して離岸していること、黒潮の最南下点が北緯 32 度より南に位置することを予測できていました。一方、八丈島の北を流れる流路に戻ると予測していましたが(図1上段)、実際には黒潮の一部が八丈島の南を流れています(図1下段)。黒潮の蛇行の行方については、毎週の黒潮予測記事でも、気象衛星「ひまわり8号」が観測する海面水温と比較しながら検証しています。

1月31日号では室戸岬で接岸、足摺岬で離岸に変化すると予測していましたが(図1上段)、実際には、室戸岬で離岸、足摺岬で接岸が続きました(図1下段)。

予測と実際で、違っていた所と合っていたところは、図2のアニメーションでもご確認ください。

以前の予測よりも、黒潮大蛇行の形がいびつになってきており、大蛇行の安定性が弱くなっているようです。

Fig1

図1: [上段]1月26日から予測した2月23日の予測値。[下段]観測値を取り入れて推測した2018年2月23日の解析値。矢印は海面近くの流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。赤は八丈島の位置。

 


図2: 1月26日から2月23日までの予測(上段)と実際(下段)の比較のアニメーション。クリックして操作してください。途中で停止もできます。

  1. [1]2017/7/12号「黒潮流路はどれくらい先まで予測できるのか」でも解説しているように、1ヶ月はある程度の精度をもって予測できる限界に近い長さです。毎月の検証では、限界に挑戦するため1ヶ月先の予測の検証をしています。仮に検証で1ヶ月先の予測が当たっていない部分があっても、たとえば1週間先の予測が外れ続けたという意味ではないことにご注意ください。