2019年2月21日までの黒潮「短期」予測(2月8日発表)

高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、

をおこなってます。

ここでは2月21日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。

現状と予測

図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した2月8日・13日・20日の黒潮の状態です(1日平均)。

黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。

大蛇行の北側では黒潮が岸にぶつかるようにして、沿岸に暖水をもたらしています(G)。
(三重県水産研究所のFAX版海況速報の2月6日号によれば、英虞湾内の水温が2月5日と6日に、同日の過去最高水温を更新したそうです。)

四国・室戸岬では、黒潮の大きな離岸が続いています(C)が、暖水舌がのびてくる時期があります(図1,3)

伊豆諸島付近では黒潮が八丈島(図の)の北、伊豆半島近くを通過しています(E)。

房総半島沖(F)ではやや離岸しています。

九州東で、離岸(小蛇行)が拡大してきました(H)。現在黒潮が接岸している足摺岬(D)では、その影響で離岸してくると予測しています(図2,3)。

図4は2月5日午前9時から2月21日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

JCOPE-T DAの予測は土曜日を除く毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAの比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト

 

Fig1

図1: 2月8日の予測値(日平均)。矢印(ベクトル)は海面近くの流れの向き(メートル毎秒, 長いほど速い流れ)、色は海面温度(°C)。1度毎の等温線も薄く加えた。赤丸()が八丈島の位置。クリックすると拡大します。

 

Fig2

図2: 同じく2019年2月13日の予測値。

 

Fig3

図3: 同じく2019年2月20日の予測値。

 


図4: 2019年2月5日午前9時から2月21日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。


  1. [1]黒潮大蛇行の記事のまとめはこちら


JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。