親潮が強い (親潮ウォッチ2019/2)

親潮の現在

毎日更新されるJCOPE-T DAによる予測はJAXAが提供を開始した可視化サイトで見ることができます。可視化サイトには2種類あります。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト

図1は「1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAの比較するサイト」で親潮付近を見たものです。時刻は2月14日16時台(日本時間)の1時間平均で、左が気象衛星「ひまわり8号」による海面水温の観測、右がJCOPE-T-DAによる推定値です。

図1を見ると、沖合に暖水渦A, Bがありますが、それらにはさまたげられずに、渦Cの北側まで冷たい親潮の水が南下しています。このため、親潮が入ってきているところでは例年以上に水温が冷たくなっています。逆に、暖水のあるところでは例年以上に温度が高くなっています。渦Cの中心は先月より東に移動しています。

Fig1

図1: 「人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAの比較するサイト」で親潮付近を拡大した図。時刻は2月14日16時台(日本時間)の1時間平均。左が気象衛星「ひまわり8号」による海面水温の観測。灰色でデータが無い場所は雲などで観測できなかった所。右がJCOPE-T-DAによる推定値。

2月28日までの予測

図2は2月12日午前9時から2月28日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

次第に図1のB, Cに有った暖水が親潮をさまたげるように動いてきますが、しばらくは親潮による冷たい南下は見られそうです。


図2: 2019年2月12日午前9時から2月28日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。矢印(ベクトル)が海面の流れの向きと強さ(メートル毎秒)。色が海面水温(℃)。温度の等温線も2℃毎に白線で加えてある。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


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黒潮親潮ウォッチでは、親潮の現状について月に一回程度お知らせします。親潮に関する解説一覧はこちらです。 JCOPE-T-DAによる短期予測はJAXAのサイトで見ることができます。 4日毎に更新されるJCOPE2Mによる親潮の長期解析・予測図はJCOPE のweb pageで見られます。親潮関係の図の見方は2017年1月18日号2017年2月1日号で解説しています。