黒潮大蛇行が過去3番目の長さに

気象庁によれば、記録が確かな1960年代後半以降では、表1のように6つの期間が黒潮大蛇行と判定されています。2017年8月から始まった今回の黒潮大蛇行は、2019年4月で1年8か月を越えることになり、1975-80年(4年8か月)、1981-84年(2年7か月)に次いで記録史上3番目の長さになりました。[1]

図1の細黒線は、東海沖における黒潮流路の最南下緯度の、1970年代以降の時間変化です(気象庁によって推定された月毎の値)。値が小さいほど、黒潮が南まで蛇行していることを意味します。細黒線のグラフは変化がギザギザしていて傾向がわかりにくいので、13ヶ月毎に平均(13か月移動平均)して、なめらかな線にしたのが赤太線です。黒潮が北緯32度(図1の点線)より南下した状態で安定していることが黒潮大蛇行の判定の目安です[2]。気象庁が大蛇行だと判定しているのが図1の緑でぬった期間になります。

表1と図1を見ると、1990年代以降は1年程度の短い期間の大蛇行が続いており、今回の大蛇行は久しぶりに長い大蛇行になっています。また流路の南下も約30.5度まで南下しており、最近の大蛇行よりも南下が大きくなっています。南下が大きいほど、黒潮大蛇行の期間が長期化する傾向があります[3]

今回の大蛇行がなぜ長くなっているかは不明で、今後の研究課題です。今回の大蛇行がいつまで続くかも、まだわかりません。私たちの長期予測では、2019年5月段階で、大蛇行はまだ終わりそうな気配がありません。

開始 終了 期間
1975年8月 1980年3月 4年8か月
1981年11月 1984年5月 2年7か月
1986年12月 1988年7月 1年8か月
1989年12月 1990年12月 1年1か月
2004年7月 2005年8月 1年2か月
2017年8月 ?

表1: 気象庁が判定した1965年以降の黒潮大蛇行のリスト。開始日、終了日、期間。

 

Fig1

図1: 気象庁の推定による黒潮の最南下緯度の1970年代以降の時間変化。黒細線は月毎の値。赤太線はその13か月移動平均。緑でぬった期間が気象庁が判定した黒潮大蛇行。データは気象庁のサイトで入手した(2018年12月まで)。

 

  1. [1]ただし、はっきりした観測がありませんが、限られた観測や、串本・浦神の潮位、漁師の体験談などから、それ以前にも、長い黒潮大蛇行があったと推測されています。「黒潮大蛇行の歴史」参照。
  2. [2]例えば1999年から2000年にかけても黒潮が北緯32度より南下している時期がありますが、安定して続いていないので黒潮大蛇行とは判定されていません。
  3. [3]海上保安庁「大蛇行が続く黒潮の観測を実施~4月には過去2番目の位置まで流軸が南下~」(pdf, 2018/7/6)。