親潮がまわりこむ (親潮ウォッチ2019/5)

親潮の現在

毎日更新されるJCOPE-T DAによる予測はJAXAが提供を開始した可視化サイトで見ることができます。可視化サイトには2種類あります。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。

  1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAを比較するサイト
  2. JCOPE-T DAの水平分布と深さ(鉛直)方向の分布を可視化するサイト

図1は「1. 人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAの比較するサイト」で親潮付近を見たものです。時間は5月12日午前8時台(日本時間)の1時間平均で、左が気象衛星「ひまわり8号」による海面水温の観測、右がJCOPE-T-DAによる推定値です。

現在、黒潮続流がかなり北まで流れており、東北沖の海は黒潮続流による暖水や黒潮続流からちぎれた暖水渦(A, B, Cなど)に影響をうけています。親潮は暖水渦A,Bにはばまれて東北沿岸近くには流れなくなっていますが、岸から離れた東で暖水渦の隙間を通って南まで流れています。

Fig1

図1: 「人工衛星「ひまわり」観測とJCOPE-T DAの比較するサイト」で親潮付近を拡大した図。時刻は5月12日午前8時台(日本時間)の1時間平均。左が気象衛星「ひまわり8号」による海面水温の観測。灰色でデータが無い場所は雲などで観測できなかった所。右がJCOPE-T-DAによる推定値。

5月29日までの予測

図2は5月13日午前9時から5月29日午前9時までの予測のアニメーションです。左が海面、右が水深100mです。右の水深100mの図には、親潮の勢力の範囲の指標として、水温5℃線を水色の線にしています。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。

東北沿岸近くは暖水がとどまり、親潮が流れるのは沖側という状態が続くと予測しています。


図2: 2019年5月13日午前9時から5月29日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。左が海面、右が水深100m。矢印(ベクトル)が海面の流れの向きと強さ(メートル毎秒)。色が海面水温(℃)。温度の等温線も2℃毎に白色で加えてある。水深100mの右の図には親潮の勢力の指標として水温5℃の等温線も水色で加えている。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。

 


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黒潮親潮ウォッチでは、親潮の現状について月に一回程度お知らせします。親潮に関する解説一覧はこちらです。 JCOPE-T-DAによる短期予測はJAXAのサイトで見ることができます。 4日毎に更新されるJCOPE2Mによる親潮の長期解析・予測図はJCOPE のweb pageで見られます。親潮関係の図の見方は2017年1月18日号2017年2月1日号で解説しています。