高分解能予測JCOPE-T DAの開始にともない、
- JCOPE-T DAによる短期予測(10日先)
- JCOPE2Mによる長期予測(2か月先)
を行っています。
ここでは9月18日までのJCOPE-T DAによる短期予測を解説します。短期予測では、黒潮の沿岸への影響がテーマです。
現状と予測
図1・2・3はJCOPE-T DAで計算した9月11日・9月14日・9月17日の黒潮の状態です(1日平均)。
黒潮は東海沖で大きく離岸しており、黒潮大蛇行[1]と呼ばれる状態になっています(A)。黒潮大蛇行の長期的な見通しについては黒潮長期予測をご覧ください。大蛇行にともない、紀伊半島・潮岬でも離岸が続きます(B)。
黒潮が八丈島に近づいており(G)、その西を流れています。この後、黒潮は八丈島の北を流れる流路に戻り、黒潮が本州に近づくと予測しています(G, 図2,3)。
九州東部(H)、足摺岬(D)と室戸岬(C)では黒潮が離岸しています(図1)。離岸の中心(H)が東に移動するにつれて、潮岬(B)に黒潮が近づく時期があると予測しています(図3)。
先日の台風15号の通過により、通過した経路(I)や、伊豆半島・房総半島周辺(E,F)では水温が低下しています。その時間的変化は図4のアニメーションで見られます。また秋が近づくにつれて水温が全体的に下がっていきます(図1~3)。
図4は9月8日午前9時から9月18日午前9時までの予測のアニメーションです。JCOPE-T DAは潮の満ち引きも計算しているので、1時間毎の図でアニメーションにしています。
JCOPE-T DAの予測は土曜日を除く毎日更新されており、最新の予測はJAXAのサイトをご覧ください。図の見方は「JAXAと共同で新しい海洋予測を開始」で解説しています。
図4: 2019年9月8日午前9時から9月18日午前9時までの1時間毎の予測のアニメーション。クリックして操作してください。全画面表示にしたり、途中で停止したりできます。
JCOPE-T DAは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センター(EORC)と共同で、土曜日を除く毎日更新を行っています(解説参照)。