がっつり深める

オマーン掘削プロジェクト~かつての海洋プレートを掘る!~

オマーン掘削プロジェクトと「ちきゅう」

――どんな計画ですか?

掘削調査は2016年12月から2017年3月、2017年11月から2018年3月に行います(図5)。

図5 掘削地点
図5 掘削地点

実施済みの第1期では、それぞれの掘削点で300~400m掘削し、はんれい岩とかんらん岩を採取しました。現在実施中の第2期では、はんれい岩とかんらん岩の境界を掘削する予定です(写真4)。

写真4 掘削
写真4 左:第1期の陸上掘削の様子 右:掘り出した直後

――その第1期のコアを、今回「ちきゅう」で分析したのですね。

はい、「ちきゅう」には世界トップクラスのコア専用設備と分析機器があり24時間体制で分析できますから。4地点から計1,500m分のコアが、2017年7月に清水着岸中の「ちきゅう」に運び込まれました(写真5、6、7)。

写真5 コアボックス
写真5 実験台を移動させて、なんとか搬入したコアボックス!
写真6 コア
写真6 廊下までコア
写真7 コアボックス
写真7 コアボックスの中

――すごい量!

コアボックスをあけてコアを見たとき、今までみたことのないほどきれいだと思いました(写真8)。断片的にしかとれない海洋掘削のコアと違い、オマーンのコアは上から下までほぼ100%採れていたのです。見るからに色々な石や細かい層状の構造があり、目を見張りました。

写真8 オマーンオフィオライトのコア。
写真8 数々のコアを分析してきた阿部さんを感激させた、オマーンオフィオライトのコア。

船上での分析期間は2カ月。「コアの分析をすべてコンプリートしたい」という研究者魂で、分析に取り掛かりました。

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