海の底にある岩石は、地球のひみつをたくさん教えてくれます。なぜなら、海底にある岩石は、陸上のものよりもマントルに近く、地球内部の情報をたくさんもっているからです。
そのような、深い海から採取した、地球のひみつを教えてくれる岩石たちを紹介します。
今回、取り上げるのは「マントル」です。聞いたことはあるけど、よく考えるとよくわからない……。それでは、マントルから、地球のどんなひみつがわかるのか見ていきましょう。
地球内部のマントルが出てくる場所
地球の地殻の下にはマントルがあります。
マントルは、地球の体積の83%、質量の67%を占めます。岩石惑星の地球にとってマントルは主役級の存在なのです。しかし、人類は地球内部のマントルをまだ見たことがありません。掘削プロジェクトで到達できた例は、世界でひとつもないのです。
では、マントルを直接調べる方法はないのでしょうか?
そんなことはありません。
実は、マントルがあらわになる海底があるのです。インド洋にある「南西インド洋海嶺」のあたりには、そんなところがあります。
海嶺というのは、火山活動の盛んな海底にある山脈です。そこから新たな海洋プレートが作られ、海底が広がり始めているところがあります。そのような海嶺は「中央海嶺」と呼ばれ、南西インド洋海嶺は、まさに中央海嶺なのです。