「江戸っ子1号365型」の開発・製品化について
投入される「江戸っ子1号365型」
【概要】
SIP「次世代海洋資源調査技術」では、海底環境を1年間継続して観測可能な「江戸っ子1号365型」を開発し、製品の販売を開始しました。
今後、海底資源開発をはじめとする各種観測において、世界的に活躍していくことが期待されます。
【背景】
SIP「次世代海洋資源調査技術」では、海底資源開発に係る事前調査や事後調査、開発事業実施に伴う環境変動が周辺生態系に及ぼす影響を高効率かつ低コストに見積もるため、安価で、ハンドキャリーでも海中投入・回収ができる小型のタイムラプス海底観測ビデオシステム「江戸っ子1号」を活用した海底環境のモニタリング手法を開発してきました。
しかし、国際海洋法条約に基づき設立されたISA(国際海底機構)の勧告においては、海底環境を1年程度観測することが指針として示されており、従来の江戸っ子1号のバッテリー容量では、待機電力の消費などにより1年間の連続した観測は困難でした。
そこで、江戸っ子1号3台を三角柱構造に組み合わせ、バッテリーを分散搭載した「江戸っ子1号365型」を考案しました。この結果、バッテリースペースが増加し、1年間の観測に耐えうる性能を実現しました。
【今後の展開】
「江戸っ子1号365型」はISAが示す指針に沿ったスペックを安価に実現する観測装置です。現在、ISO規格の標準化に向けた取り組みも進めており、2019年1月にNew Proposalが承認されました。
将来的にはISA指針に沿ってISO規格を取得した観測装置として、海底資源開発をはじめとする各種観測で世界的に活躍していくことが期待されます。
【製品の問い合わせ先】
岡本硝子株式会社
https://ogc-jp.com/productinfo/glassball/
株式会社ソニック
http://www.u-sonic.co.jp/edokko.html
これまでの系譜
2009年 東京下町の町工場を中心に「江戸っ子1号」プロジェクト発足
2011年 JAMSTECの実用化展開促進プログラムに採択
2013年 日本海溝(水深7,800m)の深海で生物の撮影に成功
2015年 SIP「次世代海洋資源調査技術」で耐硫化水素性能を持つHSGモデルを開発・販売開始
2018年 SIP「次世代海洋資源調査技術」で365型を開発・販売開始