2015/9/5から11/12の予測(9/11発表)

現在、黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路が著しく発達しています。和歌山・潮岬で黒潮が岸に近づいています。
黒潮が八丈島の南を流れる離岸流路が継続するでしょう。九州東岸から和歌山・潮岬までは小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです。

現状

図1と図2はJCOPE2で計算した9月5日と9月11日の黒潮の状態です。黒潮は八丈島の南を流れる離岸流路です。東海沖を東に進んでいた小蛇行(小蛇行2 ※1)(図1)が、伊豆諸島に近づくことで、離岸流路が著しく発達しています(図2)。小蛇行2の下流への移動にともない、紀伊半島・潮岬では黒潮が岸に近づいています。

黒潮の本流から沖に向かう支流が分岐しており、四国・足摺岬に続いて(図1)、四国・室戸岬もやや離岸ぎみです(図2)。九州南東では小蛇行(小蛇行3)が存在しますが(図1)、発達はしていないようです(図2)。

※1 現在の離岸流路を引き起こした小蛇行1は、既に黒潮の離岸流路と区別できなくなって見えませんが、先週号からの継続のため、小蛇行の番号はそのままにします。

Fig1

図1: 9月5日の推測値。矢印は流れ(メートル毎秒)、色は海面高度(メートル)。海面高度が低いところは海面水温が低いと言うおおまかな関係があります。

 

Fig2

図2: 9月11日の予測値。

 

予測

図3と図4は9月21日と11月12日の予測です。

八丈島の南を流れる離岸流路は当面安定して継続するでしょう(図3,4)。

現在は離岸ぎみであった四国・足摺岬でも再び接岸し(図3)、次いで四国・室戸岬で接岸します。黒潮が接岸する沿岸では急潮が発生しやすくなります。

最新の予測では、小蛇行3は下流に移動する際にあまり発達することはなさそうです。10月末から11月には新たな小蛇行的なシグナルが(小蛇行4)上流から流されてきます(図4)。九州東岸から和歌山・潮岬までは、小蛇行が大きく発達するよりも、小刻みに接岸と離岸を繰り返す時期になっているようです。

図5は9月5日から11月12日までの予測をアニメーションにしたものです。

Fig3

図3: 9月21日の予測値。

 

Fig4

図4: 11月12日の予測値。

 


図5: 9月5日から11月12日までの予測のアニメーション。クリックして操作して下さい。途中で停止することもできます。


JCOPEの他の予測図についてはJCOPE のweb pageでご参照下さい。
より専門的な分析に関しては Kuroshio/Oyashio Watch(英語)をご覧下さい。